Jazz Twins

双子の若手新進ジャズミュージシャンの母がアメリカ南部メンフィスから、見て、聞いておもしろいことを発信します。

January 2015

双子がレコーディングしたばかりの、メンフィスにあるロイヤルスタジオが今注目を浴びています。

今話題の歌手、ブルーノ・マーズ(Bruno Mars)がロイヤルスタジオでレコーディングした曲が、ヒットチャートのナンバーワンになって全米を沸かせているのです。

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ピアノの鍵盤の絵が書かれている階段を登ってこの入口から入る、このスタジオです。
入るときからファンキーな気分になってしまいます。

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このレトロなスタジオで今回の大ヒット曲が生まれました。

前にも言いましたが、かなり古い印象なのに、なぜ、世界中からすごいミュージシャンがやってきてレコーディングしたがるのか、本当に不思議です。

最新式の機器とはほど遠いコントロールルーム、楽器も古いし、21世紀のこの時代においてここは大丈夫なのか? 
ちょっと不安になりそうな場所なんです。

でも、双子のレコーディングをしてみてわかったことは、思ったより曲がずっとよくできたということ。
レコーディングしてくれるスタジオオーナーのブーさんは楽しくユニークで、ミュージシャンを上手くその気にさせてしまいます。

ブルーノ・マースのレコーディングのときは、ブーさんのが家族総出でコーラスを担当。ブルーノが角で指揮をとってとても楽しかったのだとか。そういう雰囲気をミュージシャンと一緒に作り上げるのが上手なのでいろんなものが引き出されるのかもしれません。
もしかしたら、ミュージシャンがマジックを感じる場所なのかもしれません。

とにかく、とっても不思議です。

「アップタウンファンク」はノリの良い楽しい曲で、思わず体が動きます。
こちらがその驚異的なヒット数になっているYouTubeビデオです。

画像をクリックしてお楽しみください。


 

双子たちが締め切りギリギリの学生音楽コンクールに応募することになり、急遽メンフィスのロイヤルスタジオでレコーディングしました。

左から作曲&ベースのアラン、ピアニストのベン、サックスのレジー、ドラムのカールです。
ベンは、スタックスレコードのスター、アイザック・ヘイズのバンドのピアニストを長年務めたベテランピアニストで現在は大学の先生。残りの3人はスタックスミュージックアカデミーで知り合った若い10代のジャズミュージシャンです。

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とにかく学生音楽コンクールのことを知ったのが締め切り間近の話しだったので、あれこれ試す時間はありません。手っ取り早くできるロイヤルスタジオでしっかりレコーディングをしようということになりました。

スタジオを見学させてもらって、いつか自分も…と思った双子にとって、びっくり、そしてあっという間の展開でした。


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応募する曲は一曲だけなので、日曜日の夕方2時間をブッキング。

楽器を運びこび、マイクをセットします。
サウンドチェックをして、準備が整ったところでまず一回目のレコーディングをしました。

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コントロールルームに戻って、プロデューサーのブーさんと一緒に音を聞きます。
夏にCDをレコーディングし、プロデューサー、ドナルド・ブラウン(Donald Brown)とエンジニアがミキシング(各楽器の音源を調整して音楽として完成させること)していく過程を間近に経験した双子は、自分たちの音に厳しくなったので、納得がいきません。

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作曲家、アラン・マグワイアがバンドメンバーに説明して仕切り直し、レコーディングをしては聞き込み、意見を出し合って、調整していきました。

10代の若いミュージシャンとはいえ、それぞれに音楽に思い入れがあってまとまらなくなりそうなところを、大学の先生のベンがうまくまとめてくれました。

テイク5でようやくそれなりのものが演奏できたところで、大急ぎで編集し、作曲コンクールに応募する作品’The Taimi' (ザ・タイミ)ができあがりました。

コンクール出品作は、ミキシングをしないラフなレコーディング作品を送らなくてはいけません。

ちなみに、タイミは、双子の幼なじみのフィンランド人の双子の名字です。あとからわかったことですが、taimiというフィンランド語の言葉は、苗とか芽という意味があるそうです。これから自分たちの若い芽をどんどん育てて行く彼らにとってぴったりのネーミングでちょっとびっくりでした。

締め切り前の最終日にアメリカ政府に著作権を申請する初体験もして、なんとかコンクールに間に合いました。

この頃は、オンラインで応募できるので学生音楽コンクールも世界中から瞬時に応募できます。
ちょっとドキドキしながらも、ギリギリセーフでした。

発表は6月です。
受賞は、さて、どうなるかわかりませんが、双子にとって、たくさん学べたとても良い体験だったことは確かです。







音楽の都、メンフィスには、伝説のスタジオと言われるスタジオがいくつかありますが、このロイヤルスタジオ(Royal Studios)もその一つ。

昨年ケネディーセンター功労賞を受賞したアル・グリーン(Al Green)が、1970年代、数々のグラミー賞受賞ヒット曲を世に送り出した拠点です。
プロデューサーでオーナーのウィリー・ミッチェル(Willie Mitchell)がプロデュースした アル・グリーンのレコードの総売上はなんと2千万枚以上だそうです。


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スタジオの玄関を入るとアル・グリーン(左)とウィリー・ミっチェル(右)の大きな写真が目に入ります。このガッツポーズは、レコーディングがうまくいったしるしでしょうか?

1910年代に映画館として建った建物は、1950年代にレコーディングスタジオとなりました。
建物は内部もその当時からあまり変わっていないようです。

ウィリー・ミっチェル亡き後は、息子でオーナーのローレンス・ブー・ミッチェル(Lawrence 'Boo' Mitchell)が後を継いでレコーディングを続けています。

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ポップな絵で装飾された楽しい外観です。

ソウルミュージック全盛時代を彩ったスタジオですが、
メンフィスが世界を制覇したソウルミュージックの時代は、80年代にディスコミュージックが台頭して終わりをつげます。

多くのスタジオが閉業したり、縮小していっている中、ロイヤルスタジオは、現在に至るまで活発にレコーディングを続けています。

ロッド・スチュワート(Rod Stewart)、トム・ジョーンズ(Tom Jones)、ジョン・メイヤー(John Mayer)など、世界の大物たちがこの古めかしいスタジオにレコーディングにやって来ます。

ハリウッド映画のサウンドトラックも多くがここでレコーディングされたそうです。
(映画音楽リストはこちらです。)

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こちらが内部の様子です。

外観もレトロですが、中に入るともっとレトロです。
もとは映画館だったので、床が傾いています。壁と天井は、防音のためか、断熱材のようなもので覆われています。

おいてある楽器もかなりレトロ。ビンテージと呼べるようなものばかりです。

左のドラムセットは、1960年代のもので、アル・グリーンの'Love and Happiness'をレコーディングしたときに使われたセットだそうです。右側のRhodesのキーボードもまさにビンテージ。かなり使いこんだ年代物です。


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こちらの方がオーナーでプロデューサーのブーさん。ローレンス・ミッチェルが本名ですが、みんなにブー(Boo)とよばれています。よく笑うとても楽しい人です。そしてなんといってもすごく気さく。ミュージシャンが心地よくベストの演奏ができそうなオーラをかもしだしています。

ここのスタジオは一つだけ。コントロールルームも一つで、ミキシングボードは1977年製。

バハマのスタジオから中古で買ったものだそうで、ここにやってくる前にAC/DCなどのレコーディングをしてすでにグラミー賞を続出させたボードなのだそうです。そして、ここに据え付けられてからもずっとグラミー賞作品を生み出している自慢のボードだそうです。

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ゴールデンディスクの数々と、レコーディングのテープです。

現代の音響機器はどんどん進化してどんどん新しいものになっているのですが、ここはどこかで時が止まったようになっています。それでも、世界中から超大物ミュージシャンがやってきて名曲が生み出されています。

時代に逆行しているようなのに、なぜなのでしょう?

友人は、ここに音楽のゴースト(お化け)が棲み着いていると言っています。
本当かどうかわかりませんが、言えることは、棲み着いていてもおかしくないようなところだということです。

ブーさんが、コントロールルームで音楽を聞いているとき、何かが乗り移ったようになるのが印象的でした。目を閉じて、音楽に集中して、すっと音楽の世界に入り込んでしまうのです。

ブーさんは、いろんな音楽をレコーディングしますが、「これは行ける!」というのは、聞いたらすぐにわかるのだと言っていました。

まだ世に出ていない超大物ミュージシャンの秘蔵作品なんかも聞かせてもらって超ラッキー!
双子ミュージシャンを連れての楽しい勉強ツアーでした。






 

Carl & Alan Maguire's CD Release Partyが2014年12月27日(土曜日)、テネシー州ジャーマンタウン市のLane Music楽器店ホールにて開催されました。
おかげさまでホールは満員御礼。
100人以上が詰めかけて、熱いライブ演奏となりました。

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CDお披露目会コンサートは、2部構成。
インターミッション(休憩)をはさんで約40分の演奏を2回行いました。

CDのお披露目会ですから、収録曲をいくつか演奏し、そのほかにオリジナル曲のお披露目、ジャズスタンダードナンバーから数曲演奏の盛りだくさんコンサートでした。
当日の演奏者は4人のカルテット編成なので、4重奏にふさわしい選曲をしました。

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メンフィスのラジオ局が1ヶ月前から毎日宣伝してくれたおかげで、若いミュージシャンたちの生演奏を聞きたいとやってきたメンフィスの音楽関係者なども多く、会場は真剣味あふれるリスナーが集りました。

インターミッションには音楽関係の人たちの交流がある一方で、他の観客のみなさんは、軽食や飲み物を片手におしゃべりのはずむ、なごやかなパーティとなりました。

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コンサート後に行われたCDサイン会の様子です。

サイン会は、観客と演奏者の双子たちが言葉を交わしたり、一緒に写真撮影をしたりして、本人たちの人となりを身近に感じてもらえるチャンス。たくさんの人たちが彼らの音楽をお持ち帰りくださいました。

今回のレーンミュージック楽器店ジャーマンタウン支店ホールでのリリースパーティの成功を受けて、双子が現在勉強しているテネシー州ノックスビル市のレーンミュージックでの開催も検討中です。
今のところ今年2月7日になりそうです。
カールとアランは、今回とても楽しかったので、次回は、さらにお客様に楽しんでもらえる、充実した会にできるようがんばる所存です。

CDの詳細はこちらをクリックしてご覧ください。
Carl & Alan Maguire 'The Sound of Music'

お越しになれなかった方は、こちらのYouTubeビデオで会場の様子をお楽しみください。
元気なオープニング曲、ウェイン・ショーターの'Yes or No'です。



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